ゲルマでFM !

ゲルマニウムラジオでFM放送、聞こえんの?
聞こえました ! ただ放送塔の近くへ行かないと聞こえませんけど。
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これが ゲルマFMラジオ です。

東京スカイツリーから、3Km離れた所にある公園で、NHKFM、Jウエイブ が聞こえました。
また、スカイツリーから、5Km離れたビルの5階の窓辺でも聞こえました。(スカイツリーが目視できる所)
混信はあります。でも、聞こえたというだけで満足でした。

アンテナはビニール線を95cm四方の四角に張ったループアンテナです。マストとしての棒に付けて2mくらいの高さです。同軸でつなぎました。(インピーダンスは合っていません。もし、合わせるなら、たて長のループです)
アンテナは大事です。できればFM 用の八木アンテナが欲しいところです。

AMラジオと同じ、ダイオード1個の検波です。FM用の特別な回路でなくても「スロープ検波」という検波で、音質は良くなくても、問題なく聞けます。
音量はゲルマラジオ並みで、小さい声です。

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回路図の方は、ネット上の「ミズホ通信研究所」という所に出ていたものが元です。バリコンの 回路は私が書きました。2連バリコンを直列にしたという意味です。FM 用の20PFくらいが2連になってます。
ローターの軸 (普通はアースする) には樹脂製ツマミを付けて、とりあえず、人体のエフェクトは無さそうでした。

ダイオードは 私はスレッショルドの低い型番の知られていない物を使いました。1N60 でOKとの記事もあります。
後にこの記事を書くのに、大ざっぱに計算してみましたが、スレッショルド(電流の流れ始める電圧値)が0.3Vなら、放送塔の近くで聞こえるはずです。
ダイオードスレッショルドは現代のテスターなら測れます。1N60 でも個体のバラツキがありますから、選別するといいでしょう。

ST-30の接続は白と緑の接続を逆にしてみるのもありです。

イヤホンはワ二グチクリップ付きの物です。
このイヤホンは結構便利で、いろいろな実験やラジオなどの修理時に使えます。

パネルは使い古しの生基板です。銅箔にアースを落してます。人体のエフェクトよけ になってるかもしれません。

コイルデータ。太さ0.8mmホルマル線。
アンテナコイル 径20mm 2回
同調コイル 径30mm 4回
検波コイル 径20mm 2回
同調コイルの内側に他のコイルを入れています。

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このラフな 実体配線図 には回路図に書いてない 2P のコンデサがあります。アンテナコイルを通さず、直接同調コイルにアンテナをつなぐ場合のためです。これもやってやってみましたが、あまり良くありませんでした。

ゲルマで短波は聞けても、FMは無理だろうなと思っていたら、電波さえ強ければFMも聞こえるとわかって、いい経験をしました。

もし、追試なさるなら、アンテナ持って外にいる時、怪しい人と思われるかも知れないので注意しましょう。
黒いサングラスなどかけていてはいけません。
私は他人に問われたことはありませんが、もしものためには、身分を証明できるものを持っていた方がいいかも知れません。運転免許証とか、無線従事者免許証とか、学生証とか。

[後記]
実はこれを作ってすぐ、自宅でFM を聞いてみましたが、ウンともスンともいいませんでした。ま、そうだろうな。と思いました。放送塔から20キロ以上も離れてるのですから。
で、ひらめきました。
自作のFMトランスミッター (送信機) があるではないか。早速音楽CDをFM電波に乗せてみました。ウンともスンともいいません。
え一? です。失敗?
SONYのラジオでは自作FMトランスミッターの電波は良く入ってます。
そこでFMゲルマのアンテナ線をトランスミッターのビニール線アンテナに20cmまで近づけました。
まだだめ。
ついにビニール線アンテナどうしをからめました。
お!! かすかに聞こえる。でも弱すぎ。

実際のFM放送は出力5KWあって、このトランスミッターはおそらく数ミリWで、で、両者の距離の違いもあって、頭の中を計算式がよぎりましたが、面倒なので、考えるのはやめました。

実際に放送塔の近くへ行くしかない。
実行して、FM放送が、聞こえた時は「お一 !!」でした。
少年のとき、初めてゲルマラジオが聞こえた時のあれです。