FMトランスミッター

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FMトランスミッター(モノラル)です。
10年以上前の作です。
当時、立派なオーディオ装置を持っていましたが、普段寝起きする部屋にはFMラジオしかありませんでした。隣のオーディオ装置のある部屋では飲食など、いろいろ不便なので、普段の部屋で楽しくCDを聴きたい、と思ったのです。
そこで思いついたのが、電波で飛ばせ作戦!

初め、秋葉原の有名パーツ屋のFMトランスミッターのキットを買って作りました。ステレオでした。しかし、音が悪くて使えませんでした。
次に板の上にバラックで作り、大成功。これが結構いい音です。簡単なので おすすめ です。

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トランジスタ1石のコルピッツ発振です。入力から入るオーディオ信号がバリキャップの容量を、音圧にしたがって変えて、発振周波数を変えます。FM変調ですね。
発振出力のままアンテナに出し電波として飛ばします。電力増幅はありません。電波は弱いです。襖を隔てた隣の部屋くらいまでしか届きません。
しかし、これで十分です。
ちなみに 電波法 というのがあって、強い電波は出せません。

FM放送の80MHz帯となると、トランジスタは周波数特性が関わってきます。私ははじめ、2SC1815でやって失敗、発振しませんでした。
この石のデータシートを見たらFtが80MHzでギリギリでした。そこで FMラジオなどに使われた 2SC2786 に換えて、バンザ一イ、成功でした。
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コイルは、線径 1mm。+ドライバーの軸など、6mmの物に巻いて、戻りがかかると、ちょうど内径7.5mmくらいのコイルになります。6回巻き。コイル長は9mmくらいです。
寸法などあまり気にしなくてもトリマーコンデンサがあるので大丈夫です。
ただコイルの足は1cmくらい延ばしておきます。後でコイル長を縮めたり伸ばしたり、調整するのに余裕が必要です。
トリマーコンデンサは私のは緑色ので、30PFです。実際には羽の重なりが1/4くらいなので、おそらく8PFくらいですね。固定コンデンサにして、コイルの長の調整だけで周波数を変化させるのも可能です。
コイルの長さを伸ばすと周波数が高くなり、縮めると低くなります。

電源は単三 4本。バリキャップへの共給電圧が変わると、周波数が変わってしまうので、素子を使って5Vの定電圧にしています。
しかし、消費電流1mAと、非常に少ないので、定電圧化素子がなくても大丈夫です。それほどすぐには電圧降下は起りません。数時間、実験的に聞くだけなら不要です。
写真では電源に1000µFの電解コンデンサがついてますが、100µで十分です。たまたまこれしかなくて、しかもオーディオ用高級コンデンサがあったのでつけました。ひょっとすると、音が滑らかで柔らかい感じがするのはこれのおかげ?
入力の1µのコンデンサーは、秋葉原の海神無線で買ったオーディオ用のセラミックコンデンサです。音がスッキリ、なおかつ色っぽいのはこのコンデンサのおかげかも。ま、普通の電解コンデンサでOKです。
入力のチョークコイルは47uHくらいが良いでしょう。私のは100µですが、これしか手持ちがなかったので。これだと、オーディオ領域ギリギリの16KHzに共振しているかも知れません。
このコイルは抵抗でも代用OKです。私は10Kオームから1Kオームまでテストして、OKでした。ただ抵抗だと、音が硬いような気がしました。

写真を見て、お気づきでしょうが、私の配線のリード線は無駄に長いです。抵抗やコンデンサのリードを切ってません。モヤシ配線です。(こんな言葉ありましたっけ?)
後で調整の時、他の値の物に換えることも考えて、あえて切ってないのです。切ってしまうと次に使いずらくなりますよね。ビンボー性です。
本当はリードは短くするベきです。私のこれもトランジスタ周りの、発振にかかわるコンデンサの足は短く切ってます。(ケチだけどアホではありません)
じゃ、成功したあと、長いリード線を切ってつけ直せばいいじゃん、その通りなんですが、面倒なんですね。
ビンボー性でナマケ者です。

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上の写真は今回この記事のために、久しぶりにトランスミッターでCD をかけラジオで聴いたときの、記念写真です。
ラジオは真空管式で元々故障している物を最近入手して、直した物です。元々、防災無線の65MHzのみの受信で、FM のラジオ放送は受信できない物でしたが、改造して、FM放送OK です。昭和30年前後、まだFM放送がなかった頃の物ですね。しかし、なんつっても真空管の音ですから。いいです。
CDプレーヤーは300円の中古です。こんなものでも、FM に変換すると、ガサついた安っぽい音が、不思議なほど滑らかになります。
CD はアメリカのジャズ歌手、ジュリーロンドンです。これも中古屋で、ジャケ買い

アンテナは90cmくらいのビニール線など。短くてもそれなりに大大夫です。私は ロッドアンテナ病 なので、伸縮自在のこれを取り付けました。
実のところ、このロッドアンテナをアクリル板で板から絶縁して取り付ける手間に、製作時間が一番かかってます。
あと、バリキャップの極性注意です。私もミスやりました。

ボリュームによる音量調整は大事です。入力が大きすぎると歪みます。小さいと受信感度が悪いような感じになります。CDによって、録音レベルが違っています。
あと、このトランスミッターは、気温で、周波数が変わります。コンデンサーに高級な温度補償の物を使ってません。ケースもないバラックですから、エアコンの真下などNGです。とは言え、普通には使えます。その日の室温によって、受信側の微調整は必要ですが。
CDのステレオ出力は、トランスミッターの入力に市販の変換プラグを挿してモノラルにしています。

写真の物は、76.8MHz くらいの送信です。関東地方では、この辺の周波数が空いてます。以前はこの前後に、インターFM放送大学がありました。今はこの2局が、移動しました。

トランジスタとバリキャップは、当時もすでに秋葉原を探しまわる必要がありました。2018年10月現在では、ネットの通販にありました。

お気に入りのラジオでCDを聴くのもいいもんですよ。

コイル病 の私は、美人、 ジュリーロンドンの歌を聴きながら、自作のコイルを見つめてホレボ レしています。