超再生 FM&航空無線

f:id:aug417:20181110124100j:plain
超再生方式の受信機。FM放送と航空無線、2バンドです。(2016年11月)
「超再生」という言葉に私はシビレてしまいます。
簡単で、感度が凄く良いというふれこみが大抵の製作記事に付いてました。
中学生だった私がアマチュア無線にデビューしたのは、自作のリグで、受信機は真空管の超再生受信機でした。50MHzで、交信しました。
確かに超再生は感度良いです。
この名を目にするとなぜか心トキメキます。

さて、今回のこれ、バラックの代表みたいなもんです。バラックを通り越して、キタナイです。
実験機丸出しで、何の化粧もしていません。

FM聞けます。
超再生でFMを検波すると、音が悪いという話は知っていました。しかし、音がキレイじゃない方が、却って味があるのではないかなと思ったのです。レトロな畜音機で聞くような感じになるのでは? バイオリンなんかいいんじゃない? と思ったのです。
実際、確かに味のあるFMです。
ついでに航空無線も聞いてやろうと考えました。
そして、実際、その上のアマチュア無線の145MHzも入りました。148MHzくらいの私鉄の無線も入りました。
キタナイ配線ですが凄いバラックです。

f:id:aug417:20181110130751j:plain
見にくい回路図でソ一リーです。スマホの画面にスタイラスペンで書いているので、線がヨレヨレになってしまうのです。
又、今回の図は縦長ですが、これもスマホのせいです。

さて、普通、超再生の発振コントロールにはVR が1つですが、私のには2つあります。もし、FM の単バンドだけなら、1つで足ります。
その場合、図、上の方の10K VRを20K VRに変更し、固定16Kはカットします。左下の20K VRは15 kの固定R にします。

なぜ2つにしたか。
始めは、普通に、調整VRは 図右上の10K にあたる所の20K VR のみでした。しかし、FMはOKでも、航空無線(120MHz以上)が発振しませんでした。
あれこれ探った結果、FETソースの R を調整すれば120MHzでも発振する!!と発見したからです。

もし、追試するなら、始めはFMだけの単バンドの方が、成功しやすいです。

FETは2SK241でもOK。
VC はFM 用2連の直列。(ステーターの羽、2か所だけに結線)
図中右下の50KVRの先はAFアンプへです。
私は RAM8012 というD級アンプICを使いました。秋月電子にありました。

コイルはFM用のと、航空無線やアマチュア無線帯用の2系統をスイッチで切替ました。2接点の4回路 のトグルスイッチです。今ではないかも知れません。6PのスライドSWを2個使った方が、安いし、配線も楽でしょう。
コイル・バリコン・FET周りは最短の配線でないとNGです。
図中スイッチ部の「AIR」はエアーバンドの略です。
同調側のドレインに接する所はスイッチで、FM とAIRを完全分離しています。発振のためです。共通にすると、AIRバンドが発振しません。
又、バリコンの片方をAIRの時はアースに落としているのは同調範囲を広くするためです。航空無線は広くした方がチューニングがしやすいのです。
FM と同じようにコイル間を閉じるようにバリコンを付けても同調はします。

f:id:aug417:20181110140455j:plain

キタナイ配線ですねえ。空中配線してます。
航空無線が受信できるのかどうか、結果を早く知りたくて、美観なんぞは気にもせず、というわけです。お察しいただけますよね。

コイルの内径は15mmくらいです。単三電池に巻いて戻りがかかるとこのくらいになります。線径はホルマル線が0.8mmくらい(アンテナコイル)、スズメッキが0.4mmです。考えもなしに有り合わせを使いました。

コイルは調整必須です。
特にAIRバンド用コイルは、アンテナコイルと同調コイルを、ほどよく離します。用語で言うと、結合を「疎」にします。密にすると発振しません。

ソース側のVR、20Kは実際には 50K(B型)の2連を並列にして使ってます。

FM用2連ポリバリコンのシャフト延長などには、樹脂のポリネジを使うとボディーエフェクトが減ります。

f:id:aug417:20181110142329j:plain

BNCジャックはAIRバンドのアンテナ用です。ベランダに仮設したループに同軸でつなげました。縦86cm、橫42cmのループ。短辺の方に給電します。横にして使うと、垂直偏波用になります。ゲイン 2 dBd あるはずです。
1辺が86cmくらいのデルタループも良かったです。

赤い陸軍ターミナル (古ッ。今は何んて呼ぶのかな)は
FMアンテナ用です。放送局が遠くなければ室内ビニール線90cmでOK。

L金具大活躍です。
板は何度も使い回わししているので、いたるところネジ穴あり。

蛇足です。
スピーカーは オーディオ用の8cm。中古で買って、自分でコーン紙を張り替えました。専用の紙がなかったので、何と製図などに使うケント紙です。これでもいい音します。

肝心なことです。
2つのVRは、バンドを切替えるごとに、まずソース側のVR を調整します。サーッと発振音がするまで。次にバリコンで局をみつけ、10KのVRを調整します。あれこれ何度も繰り返して受信します。

航空無線は私の所から、50Km以上離れている地上の管制で1日中発している天候などのアナウンスが聞こえます。たまには上空を飛ぶ飛行機からの無線も入ります。
鉄道無線は、私の住まいから1Km内に私鉄が走っており、「空線信号」(あきせん信号)という、「ガラガラピー」のような音が1日中聴こえます。たまに、これが人の声になります。
145MHzのアマチュア無線は車載無線が近所を通ると聴こえた程度です。

FMラジオを聞くのにこんな面倒な作業をするのは他にありません。「世界一、メンドクセ~」FMラジオです。
でもこれが楽しいんですね。マシーンを操ってる気になります。楽しいですよ~。ツマミが多い受信機っていいですね一、できればアナログメーターも二つ三つ欲しいですね。