フロア型蓄音機 の製作

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2019年あけましておめでとうございます。
去年11月末から記事を更新してませんでした。
何をやっていたかと言うと、蓄音機を製作していました。
電気を一切使わない、ゼンマイと、サウンドボックスと、ホーンだけの蓄音機です。しかもフロア型といって、大型の物です。
蓄音機は、戦前戦後頃のSP盤という78回転のレコードを再生する機械です。原理はエジソンの発明。
バラック」や、「ラジオ」の範疇から外れますが、ご覧下さい。

記事の末尾に YouTube にUP した動画もあります。

これは実験機で、飾り気は一切ない物です。主にホーン部分の実験です。大型の朝顔ラッパを箱で囲んだら、いい音が出るかも知れないという幽かな希望と好奇心に駆られて作り始めました。

2018年の12月末から実際に作り始めました。
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写真に見える、円い穴を始めに切りました。直経46cmの大きい穴です。回し挽きという細いノコギリで、ギコギコ手で切ります。2時間かかりました。千里の道も一歩からと、自分に言いきかせて、頑張りました。
板は12mm厚の合板です。
私は今までスピーカーボックスをいくつも作ってきましたが、こんな大きな円形を切り抜いたのは初めてです。

この穴にラッパがはまり、この箱の上にターンテーブルがのります。
ラッパはジャンクで入手した昔の本物を少し加工します。ゼンマイ式ターンテーブルもジャンクで入手して整備した昔の本物がのります。

この箱は、高さ90cm、横幅57cm、奥行45cmです。写真は椅子を共に映しています。大きさの感じがわかると思います。

実は、完成して音出しをして、もし、ひどい結果の時は、この箱は少し変更して、中に2段の棚がある収納ラックになります。
ここまで作って、ただバラすのは労力が無駄になるので、そこまで考えぬいて設計しています。
ここが私のスゴイところです。転んでもただじゃ起きない式です。

この記事は後日、つづき をUPします。
1月4日ころには、第一声が聴けるのではと考えてます。はたしてどんな音が出るのでしょう。

さて、以下が つづき です。
2019年の1/3には音出しできました。その後、内部、外部、手を加えて冒頭の写真のように出来上がりました。

音は立派に出て、私の期待どおりのもので、安心しました。8日間、いや材料集めから設計まで含めれば、半年間の、苦労が報われました。
この蓄音機を収納ラックに作り変えなくて済みました。

どんな音か、ひと言で、中低音が出ます。
音楽の重心が低くなって落ち着いた感じです。
ボーカルの声の輪郭がくっきりします。前に出てくる感じです。ソロ楽器も同じくです。

音の輪郭がくっきりというのは、純粋な形のホーンの力だと思います。
有名なクレデンザなどは、ホーンの形が四角になっていて、全体のバランスや広がり感は良いのですが、極端に言うと、モヤッとしてる感じがすると言えましょうか。
一方、ラッパ形の1発物は、EMGの蓄音機に見られる形です。蓄音機に年季の入ったある方がホームページで、クレデンザより、EMGが好みだ と書いていましたが、私も同感です。

EMGは別格として,朝顔ラッパが宙にあるのは、いかにもレトロな蓄音機として、見栄えはいいのですが、私が思うにラッパの裏面も振動して位相のズレを起こして、音が逃げてるのではないか、です。
で、今回、ラッパの裏を塞いでみようと思ったわけです。

この私の蓄音機、ボンドは使っていません。バラせるように、すべて木ネジとめです。本当はボンドを使う方が音的には良いのですが。
木ネジは150か所くらい使ってあります。

今後はラッパの花びらのような所の外側をツライチに埋めて、ホーンを延長し、ホーン軸に仰角を付けようと思います。
あと、プレーヤー部を左へ拡大し、天蓋となるフタもつけて見た目のバランスをとるとか。気が 向いたらやりましょう。
今はフタはありません。なくても音的にはOKです。
よく小型蓄音機にある、針の音がシャリシャリ、シャーシャーというノイズはあまり聞こえません。
ホコリよけにダンボールの箱でもかぶせときゃいいやと、モノグサな設計でした。
下部の四角い窓はレコードを収納するためのスペースで、中に2段くらいの棚をつけ、観音開きの扉が、いつかは付く予定です。
とにかくどんな音が出るのか、試しに作るのが先決でした。

動画を撮ったので、YouTubeで御覧ください。
スマホで撮ったので、アップショットばかりです。近かづけないと、音が入りにくいので。実際にはかなり大きな音で鳴ってます。

先ずはクラシックのソプラノです。戦前の盤です。

https://youtu.be/trgyKjA4RBg

下記はシャンソンです。低めのいい声です。

https://youtu.be/zGWml_KHzmI

最後にジャズ、サッチモ です。

https://youtu.be/tasCvpBAA_k

下記のー文、私は女性ボーカルが好きだということをUPしたあと、私にジャズボーカル(女性) の良さを教えてくれたジャズ喫茶のマスターに、ブログにUPするジャズボーカルは誰がいいでしょうねえ、ときくと、なんとすぐさま、サッチモと返ってきました。
じゃ、ということで、サッチモをUPしました。
これも途中終了で申し分けないです。盤は中古レコード屋のボロボロの108円モノです。

私は近年、女性ボーカルしか聴きません。クラシック、シャンソン、ジャズ。どれも好きですが、女性の声だけ聴いてます。

たまにサッチモ。トランペットはいいですが、あの野太いダミ声には やんなっちゃい ますよね。しかし、この蓄音機で聴いたらサッチモの声が柔らかくなっていて驚きました。ベニーグッドマンのクラリネット(元々柔らかですが)もこんなにふわっとしてたのかあ、と感心しました。

そういうわけで、今の私は、ボーカルが引き立つ装置を求めています。