CDプレーヤー改造 後日譚

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彼は喜びのビールを飲んだ次の日、ふと思いあたって、使ったファーストリカバリダイオードのデータシートをダウンロードして見た。
筆者思うに、これでは逆であろう。普通、そのパーツを取りつける前に調べておくのが正しいエンジニアだ。
ま、しかし、彼は 1000V 3A というスペックだけは知っていた。それをこの電源に投入するのはかなりのオーバースペックだろうとは思っていた。この電源の平滑のコンデンサは3300uFの16Vだ。ということは電源電圧は6~12Vくらいだろう。「大は小を兼ねる」という金言を頭の中で何度も唱えていたが、ついに確かめようと素直になった。

ゲッ。電圧降下が MAX 1.7V だ。プレーヤーで使う電流がどれくらいかわからないが、気になるぜ。
これ、他のに替えてみる必要があるな。
思いたった彼はすぐ調べて 31DQ10 というショットキーバリアダイオードを見つけた。こっちは 100V 3A だ。電圧降下も 0.8V。
これだな。ショットキーバリアダイオードも試す価値はある。
彼は仕事場から秋葉原に飛んだ。閉店まぎわの海神無線に飛び込んで、このショットキーバリアダイオードの4本組を1袋買って帰った。波形もそろっているらしく、好都合だ。

翌日、ダイオードを取り換えた。
ダイオードの大きは同じである。『継ぎ木作戦』 2度めなので楽勝だ。基板を外す必要はない。
ギンポ現象』には気をつけた。

音、すばらしい。パワー感がアップした。中音の押し出しがアップした。ボーカル好きの彼にはうってつけだ。滑らかさもさらに研かれた。刺激感がなくなった分、高音が気持ち控えめになったようだが、全体的には、また一段、グレードが上がった。
彼はまた祝杯を上げた。
よーし、次はコンデンサオペアンプの交換だな。彼は片手にビール、宙をにらんでほくそ笑んだ。

だが、それはいつのことになるかわからない。

          - 完 一