ゲルマラジオの実験

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ラジオネタで、ちゃんとしたバラックです。
今年(2019)10月初旬のことです。

ゲルマラジオ作りたくなる周期説 というのがあるかどうか知りませんが、どうもゲルマラジオてやつは、数年間隔で何度も作ることになりますねえ。

数年前、この写真のようなゲルマラジオを作りました。スピーカーを鳴らすことが目的で、成功しました。そのあと、短波受信にも成功しました。
見ての通り、フェライトバーと、右側のポリバリコンは厚紙でとめてます。フェライトのとめ方には苦労しがちですが、厚紙は楽です。

今回はSG(高周波注入機)があるので、数量的に実験をしてみました。
下は数年前と今回との総合的な回路図です。
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数年前はアンテナ線(5~8m)と直列にVCを入れました。
アンテナ線は直線ですがコイルの成分と同じで L があります。C との直列共振回路で、必要な周波数だけを通します。いわばプリセレクターみたいなもんです。
これを付けると、感度が良くなったような変わらないような微妙な装置です。
ただ、短波には有効だった気がします。

それと、数年前はアンテナコイルと検波用コイルは付けず、同調コイルに直アンテナとダイオードでした。
これで、ベランダの軒にビニール線を張り、コンセントのアースで、ダイオードの先にOPTを付け、8オームのスピーカーが、小さめの音量でも普通に鳴りました。スピーカーは例の 泣く子も黙るフォステクスの16cmフルレンジで、92dB。
私の所は、あるAM放送局から22kmと近く、恵まれた環境ではあります。

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さて今回はプリセレクターなるVC は外しました。
その代わり、アンテナコイル、検波コイルを設け、それぞれにタップを付け、コイルの巻数を3段回に選べる、重装備です。
コイルのタップでハッキリ感度が変わるとわかって、少し驚きでした。
電源不要で、電波エネルギーだけで音を聞くってんだから、極力、ロスのないようにってことで、ゲルマラジオには当然なのかも知れません。
リッツ線は径0.3mmです。
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ついでに電灯線アンテナのプラグも作りました。100pFのコンデンサは絶対必要で、耐圧もできるだけ高い物です。コンセントのどちらかに挿します。
懐かしいと思われた方もいるでしょう。
ところが、これでは私の所では、思ったほど感度はなく、やはりビニール線をアンテナとして張る方が良かったです。
コイルタップは、中段の回数がベストでした。
写真にトランペットスピーカーが写ってます。極小さな音で鳴りました。
OPT は 素敵な東栄トランスの、真空管用の小さな物です。7,10,12Kがあり、10 Kオームが良かったです。

さて、やっと本題です。
ゲルマラジオのクリスタルイヤホンには並列に500Kオームくらいの抵抗が付いているのが昔からの定番です。
しかし、R がなくても鳴ります。で、なくてもいいんじゃネ?と思いますが、どうでしよう。
結論! あった方がちょっといいぞ です。
耳で聞いてもそのくらいわかるのですが、今回、レトロなSGで、調べました。ただし、正確さはなく、目安ていどです。

SG で1000KHzを発振し、1 KHzのピー音を変調かけ注入しました。
クリスタルイヤホンの両端にサンワの高級デジタルテスター付け、250 KHzまで測れるACレンジで、検波後の電圧を測りました。

Rなし 91mV
Rあり 114mV
 R は100K~1Mを試したうち、200Kオームがベストでした。これはダイオードやクリスタルイヤホンによって違うでしょう。

ま、2割くらい上がるってことでしょう。

実はこれよりさらに上がるのが ST-30 または
ET-30 という小型トランスです。
Rと同じ基準では測ってないので、耳の感じを書きますが、R なしより、5割くらいUPでした。
単卷きトランスとしての物の道理なのでしょう。

数年前、ダイオードを2個使って倍電圧で検波してみましたが、ほとんど音量は変わりませんでした。
電源の50や60Hzなら倍になるのでしようが、音声の信号は位相などからして、むずかしいのでしょう。
このトランスの方がハッキリ、UPします。
トランスのリード線、私が使った ET-30(秋葉原シオヤ電気) の場合、回路図中の上が緑色、真ん中が赤、下が黄色。私のはこれがベストでした。緑と黄色、逆にしても、ほぼ同じでしたが、わずかに電圧が下りました。