前回のつづきです。
アマチュア無線の電信級国家試験を受けに行った少年の物語。結果は…... 合格しました。
秋に試験を受けて、合格通知は冬になって届きました。当時は受験者数も増えていたし、試験は選択マークシートなど無く、すべて記述式で、採点にも時間がかかったことでしょう。
やっと届いた通知に少年は もとい、私は喜び、すぐ免許申請の手つづきをしますが、免許証が届いたのは翌年、年が明けてからでした。
上の写真がその免許証です。
今の免許証は自動車免許証のようなカードになっていますが、当時の免許証はまるでパスポートのようです。日本国政府 と金文字が光っています。
中身がこれです。小説の主人公です。
試験の手つづきに使った、まだ秋への衣替え前の写真なので、Yシャツで、中学校の名札が縫いつけてあります。
当時は郵政省が管轄だったので、郵政大臣之印 が朱く押されています。
人生の中で一番がんばった、こんな思い出があるので、あの切手が欲しくなったというわけです。
じゃ、切手の絵柄のもう1つ、ホーンスピーカーはというと、
最近私はこういうホーンスピーカーに凝っていて、これでCD を聴いています。
切手の絵と、下部の形が違いますが、同じようなホーン型のスビーカーを鳴らしてCD を聴いているのです。
この写真のは、1920年代アメリカ製です。今から95年くらい前のものですが、まだ生きています。当時の物はほとんど故障しています。修埋して、聞けるようにしました。
ホーン開口部は直径29cm。マグナヴォックスというメーカーのM4という型です。振動板は雲母の薄い円盤です。蓄音機も古いのはサウンドボックスが雲母です。
他には直径36cmのホーンもあり、メーカーもRola とか、TELEFUNKEN のをとっかえひっかえ聴いています。
マグネチックスピーカーの元になったもので、電磁石と永久磁石とコイルの組合わせで、振動させます。
機構的に厄介で、現代のスピーカーより複雑です。
音は Hi Fi の反対です。低音も高音も出ません。なのになんでこれが好きなのか。初めてこれを聴いたとき、音悪いのに、なんだこの魅力はと考えていました。
数日聴いて、ふと、思いあたりました。これ、ホーンの音の味なんだな。畜音機と同じだよ。蓄音機だってホーンだ。
普通の価値観では、良い音とは言えませんが、歌手の実在感があります。
私は以前にも書きましたが、女性ボーカルしか聴きません。ですから、低音、高音が出なくても、ま、OKなんですね。なにしろ、およそ100年前のスピーカーが鳴っているのですから文句言えません。
これで戦前戦後(1940年~1950年代)のモノラル音源の復刻CD を主に聴きます。SPレコードを鉄針で擦る蓄音機よりは滑らかな音が出ます。
ジャズでは、リーワイリー、ジョニージェイムス。他にもたくさん、当ブログ初期の『板の上の単球アンプ』に登場した
JAZZ喫茶 Jazz in Teagarden のマスターに教えてもらいました。
蓄音機を聴き始めた頃から好みになったシャンソンでは、リュシエンヌドリール。イヴェットジロー、などなど。『ミラボー橋』なんか、パリ、セーヌ川の西日傾く橋の上の情景が、この古びたスピーカーから滲んできます。
ソプラノはマリアカラス。数年前は清楚なソプラノが好きでしたが、最近は清楚というより、ゴージャスな彼女をよく聴きます。オペラホールの空間の感じが、ラッパの奥から漂ってきます。
長くなりましたので、ホーンスピーカーについてはまたいつか。
前回今回は一枚の切手の絵からでした。