今回は、ふと思いついて、やってみた実験です。
上の写真はこのブログの最初の方に登場したミュー同調ラジオですが、、チューニングを改良して、よく見れば目盛板の所が変わっています。
ミュー同調やこのラジオそのものについてはそちらの記事を参照して下さい。
直線型ってなんだ?
これは正しい呼称かどうかわかりません。ラジオのダイヤルで、高い方の周波数になると目盛りの間隔が詰まっていて、低い方は広々空いている、というのをご存じでしょう。このアンバランスを解消するために、昔、直線型バリコンというのが作られました。回転羽の形が押し潰された半円形で、軸は中心にはなくて片寄ってました。
羽が入っている所から少し回すと、大きく C が変化します。回すに従って、C の変化量が小さくなっていきます。ですから、ラジオの目盛り間隔が、低い方と高い方で極端な違いはないようになるというものです。
先日、ふと閃きました。ミュー同調式でも、コイルの巻き方をうまいことやれば、目盛り間隔が均等化されるんじゃね一の? これ発明だぞ。すぐやってみっペ。
えーと、コアが入ってる辺りは L の変化量を大きくするんだから、コイルをうんと巻いとく。で、コアが抜けるに従って、L の変化量が小さくするためには、だんだんとコイルをまばらに卷いとく。そうすりゃ、低い方ではコアをちょっと抜くと周波数が上がって、高い方じゃコアをうんと技かなきゃ周波数が高くならんから、目盛りの間隔は同じようになる。
おお!素晴らしいアイディアだ。
下が結果の写真です。冒頭写真の拡大。
どうです? 大目に見れば大体、均等化に近い感じでしょ。
下の写真は改良前の目盛板です。NHK第1と第2の間が極端に広いです。
ここに至るまでにはコイルを4回巻き直しました。目盛均等化にするのは簡単じゃなかったですねえ。苦節2時間かかりました。意外に難しく、奥が深いって感じました。
N N A T Q F という文字は、東京近郊で聞ける中波ラジオの目盛りで、局名を自分がわかり易いように勝手に省略しました。ニッポン放送は L にすべきだったかなと思います。
NHK第1 594KHz
NHK第2 693KHz
AFN 810KHz
TBS 954KHz
文化放送 1134KHz JOQR
ニッポン放送 1242KHz JOLF
各局大体100KHzくらいの間隔です。なのに同調周波数つまり共振周波数の変化は直線的じゃない。なんでだ?
ま、そういう自然現象なんだろ。だから共振周波数の式の中にはルートが入ってる。つまりエックス2乗曲線の逆みたいなもんだろ。
な~るへそ!(死語っ)
これが労作、あてずっぽ-巻きの四度めの正直のコイルです。
前作のコイルをほどいて使ってます。赤い印は前作のもので関係ありません。筒も前作の物。クリアファイルを切って丸めてます。
左側4分の1くらいは二段重ねに巻いてます。始めー重に少し巻いて、巻き始めまで直線で戻り、その上に重さねて二段目を巻きました。
あとは、普通の密巻き、右半分くらいからスキマ開け巻きになってます。
これ以前の試行錯誤では左の方、グルグルたんこぶ巻きにしてました。これはNGでした。量を巻いてはいるものの、断面、円周の外側はコアから離れるので、巻いたわりには L が増えないのです。
実際にはこのコイルの右4分の1くらいのところに、検波コイルを重ねて巻いてます。
さて、忘れてました。冒頭の写真に、青い小さなセラミックコンデンサがおんぶ姿で見えてますが、最終コイルの時は、元の同調コンデンサ 100pF に加えて 47pF を並列にプラスしました。
これもひと役かってそうで、コアの位置に関わることかも知れません。47pFはたまたますぐに出てきたのでこれを使いました。
下は初期の回路図です。
後ろ姿です。右端に電池ボックスに付いているスイッチレバーが見えます。私のお気に入りです。