これはボトル缶で作った430MHz帯のアンテナです。今回はこれの紹介です。
ボトル缶が世の中に出回わり始めたのは何時のことか分かりませんが、昔は円筒形の、缶ジュースや缶ビールしかありませんでした。
2003年にはすでに、ボトル缶は豊富にいろいろあって、私は これで430MHzの垂直ダイポールを作ろう と思いつきました。で、スーパーで何種類か、ボトル缶を買って中身もちゃんと飲んで、アンテナ作って遊びました。
さて、ここでクイズ!
下の写真のボトル缶でダイポールを作ったら、 433MHzで1番SWRが良いのはどれでしょう?
真ん中には目安として定規が立ててあります。
ルールは缶を切ったりせず、そのまま使うこと。
答え
1番右の缶です。
と言っても、4本、どれもSWR1.5以内にはなり、QSO(交信) もできました。飛びもそれぞれに大差はなく、普通の1/2波長ダイポールとも差はなかったです。
要するに、自然物?を使って無調整で、SWRを1.0 に限りなく近づける競走 の個人的遊びだったんですね。
このころは、スーパーなどの清涼飲料売り場に立って眺めるとき、味ではなく、ボトルの長さや、形状ばかり気にしている私でした。それはカマボコを選ぶとき、味ではなく、下の板がどんなかと気にする私と同じです。
これは2種類の缶で、地上高による違いと、同軸による違いを、それぞれ比較した表です。
缶の長さが 1/4 波長より短い 「POCKET Dr.」 の方が広範囲にSWRが低いです。一方、 「Gokuri」1.1以下にはなりますが、範囲は谷を描いています。これをQが高いと見るか、ただの不安定と見るか、よく分かりません。
さて、上下の缶の くっつけ方 ですが、キャップを向かい合わせに接近させて、絶縁して固定し、そこに給電できれば、もうこっちのもんです。
てか、それで完了です。
そのために、樹脂でできているスペーサーで、両端にネジ(3mm)を受けるナットが埋めこまれている物を使いました。長さは1.5cmくらい。
私は当時、ネジの西川 で買ったように思います。
サポートスペ一サー という名称で、千石電商 にもあるようです。
このスペーサーを腕木の先に付けます。私はアクリルの角材に穴を開けてスペーサーを通し、接着剤で留めました。
1本作ればいろいろ使えます。
スペーサーの両端に当たる缶のキャップの表側には、タマゴラグを挟み、共にネジ留めし、同軸の芯線と網線を付けます。
腕木はグラスファイバーの釣り竿にゴムベルトで縛りました。
これが1位に輝いた「POCKET Dr.」です。
下が2位の「Gokuri」です。
この2つが、SWRグラフのモデルです。
冒頭写真の「BLACK BOTTLE」は3位でした。
「聞茶」も使えましたが、今、写真はありません。
ダイポールですから、本来、インピーダンスは75オームで、同軸の50オ-ムではSWRが1.5で普通です。
しかし、ボトル缶 アンテナでは、缶の太さや、向かい合ったキャップの静電容量も幸して、うまいことなってるようです。
缶のキャップと本体の表面は、コーティングされていますので、ヤスリなどで剥がさないといけません。これ成功のカギ。
キャップの径が合えば本体を とっかえひっかえ 試せて便利です。
皆さんもいかがですか? 老婆心ながら、写真の4本の飲料はすでに、絶販になっているでしよう。
最後に、ボトル缶を使った スリーブアンテナの写真です。
スリーブアンテナは同軸だけでも作れます。しかし、SWRはなかなか下りません。
裾の広い缶を使うと、うまいこといきます。缶の下部はハサミやカッターで簡単に切れます。
缶のキャップにBNCプラグのメスをネジ留めし、芯には、16cmくらいのエレメントを付けます。同軸の首を釣り竿にゴムベルトで縛ります。缶の裾長は長めから切りつつ調整です。
[後記]
調べたところ、ボトル缶が出始めたのは2000年に入ってからで、本格的に流通し始めたのは、2002~2003年頃とのことです。
してみると私は流行の最先端を走ったのですね。