50MHzの超再生受信機です。2008年1月に作りました。日付メモはあれど、回路図がないので、紹介にとどまります。
前回、前々回のツェップアンテナ記事で言葉だけちょっと出たのがこれです。10年ぶりくらいで通電しましたが、ちゃんと動きました。
主にAMを聞くために作りましたが、SSBもFMも入ります。SSBはモガモガ声ですが、了解はできます。先日、福島県会津のAM局が聴こえて、また、九州のSSB局も入ってきて、嬉しくなりました。
ブロック図です。今回現物を観察して書き出しました。
感度調節のVRはふだんはMaxです。よほど強い局が現われた時に絞ります。
これを作るのにー番こだわったのは、スピーカーの前面のスリットです。昭和のマンガで、近未来のスピーカーが描かれていると大体こんなイメージでした。今ではレトロですが、このデザインを再現したかったのです。
厚さは1mmくらいのアルミパネルですが、6本のスリットを切るのには根気が要りました。
全体の形は平置き型にして、移動運用や、机上で、見易くしています。
チューニングの目盛りはPCで紙に印刷です。水避けに、その上をロウソクで擦ってます。
背面の電池は敢えて外につけました。中に入れると、電池交換にネジを外すのが面倒だからです。
BNCのアンテナジャック。バッテリーなどの外部電源端子。12Vなどは内部回路で9Vに下げてます。
中はこんな構成。スピーカーや基板の固定にスポンジを狭み、浮かしています。実は製作の最後に悩まされたのが、低周波のハウリングでした。コンパクトにまとめたせいもあって、発振しました。
コイルのケースにゴムを縛りつけてます。こんな所も発振源だったのです。
作った当初、山の上に移動して、実際の交信に使ったこともあります。ただ、感度はいいものの、選択度が悪く、50.6MHzでAMを受信しているのに、下の方のSSBが混信したりしました。元々、超再生は選択度は良くなく(そこが利点にもなりますが) しかも山の頂上なのでこうなるんですね。で、このブログの2018年9月の記事「50MHz AM受信機」板の上のスーパーヘテロダインの登上となるのでした。
ま、それでも超再生には特別な愛着があります。中学生のとき、私が初めて自宅から交信したのは、50MHzの自作のリグに自作のアンテナでした。受信機は真空管の超再生、送信機も真空管。アンテナは、ひし型のループ、マストは竹竿でした。当時は75オームが普通で、3C-2Vを使ってました。
ふだんはローカル局と無線でおしゃべり。少年にとってはそれも楽しかったのです。
ある日、Eスポが発生しました。私の住む所から数百キロ離れた局と交信が出来ました。大興奮でした。
夏休み、道を歩いていると、向こうから1年上の先輩が、自転車をこいでやって来ました。
「おお、Eスポ出たよ ! 」と彼は言って、走り去りました。彼は友人の家で無線を聞いていて、Eスポが出たので、自宅へ帰って交信するのです。私も急いで自宅に走りました。当時はEスポが出ると少年達は大興奮でした。
そして今でも、Eスポ とくると、それゆけヤッホーなのです。年甲斐もなく。
今では NICT という研究機関が、Eスポについてネット上に公開しています。それをスマホで見ればEスポの発生状況がわかります。便利になりました。