バリコンの羽を抜きました。三端子ICのラジオ まだやってます。
まだやってるの~? って聞こえてきそうですが、私、けっこうツキツメル タイプでして。
このシリーズ 前回の「3 」 までは、200pFと20pFの二連小型バリコンの200pFだけを使っていました。200pFは短波にはちょうど良いのですが、AM には少し不足でした。(AMはMWとすべきですが、パッと見、AMの方がわかりやすいので)
そこでポリバリコンでいいからAM用の二連をと、探しましたが、手持ちがなかったので、昔の5球スーパー用のデッカイ、二連バリコンを使うことにしました。
ここから実験を、あの手この手とやりました。
まず思いつきました。36OpF二連を、直列にすれば、180pFで、短波用にちょうどいいじゃん。AM用に並列にすれば720pFで、同調回路のQがぐんと上がる。(前回記事参照) こりゃすげえわ。
で、まず、バリコン直列の実験。上手くいきました。短波受信できました。次に並列。AM、上手くいきました。AM周波数高域専用の同調回路はありませんが、Qが高いので、OKでした。
次にスイッチでそれぞれを切り替えることを考えました。その回路図がこれです。
書いてしまえばなんでもありませんが、2つのバリコン、3つのコイルを6Pスイッチ2つで切替え、つなぎ合わせるのは、パズルでした。考えを回路図にするのに5時間かかりました。
三端子ICまわりの回路は前回までと同じです。今回は同調回路のみの変更です。
回路図にはバリコン350pと書いてありますが、実測では360 pFでした。
簡単に作れる短波ラジオが始まりだったのに、ここまでやる? と思いましたが、回路図どおり、やってみました。
すると、短波もAMもー応OKなのでしたが、どうもノイズが大きくて、使い物にはちょっとでした。もちろん、バリコンアース側、共通になるローター軸はツマミと絶縁されており、バリコンのボディーは樹脂板に取りつけ、台板から絶縁しました。
それでも、特に直列の場合、スイッチを使い、複雑な配線をひきまわすのは、不調のー因と思われました。
また、バリコンに固定コンデンサーを並列にしたり、直列にしたりも試しましたが、選局範囲が狭くなったり、使い物になりませんでした。
次に試したのは、AM用に二連の並列と、短波用にバリコンの片方の単独使用でした。
360pFでは短波には大きすぎですが、6MHzのラジオニッケイは入りました。しかし、同調ツマミの位置が大分、右回わり寄りになってしまって、ちと不満です。しかし、ノイズはバリコン直列よりは大分ましでした。
で、基本的にはこの回路の採用です。SW(短波)のときは、片方のバリコンのみ、360pF。AMのときは並列で720pF。AMのアンテナコイルはピックアップコイル式。
しかし、しばらく経つと、どうしても短波のダイヤル針が右よりなのが「気に入らねえ」のでした。やっぱ360はでかすぎだよなあ。
で、ある日、「よし、バリコンの羽を抜くべえ」「抜けるか抜けないか、やってみなくちゃわからねえ」と意を決し、実行しました。
じゃん! できました。二連の片方の羽の枚数を半分にしました。これで180pFと、短波にはちょうど良し。
バリコンの羽を抜くという手を、昔、噂ではきいたことがありました。しかし、どうやって抜くのか知りませんでした。
が、私のやり方で成功したので、ここに大公開します。
まず、羽同志を連結固定している、べークライトの板を切りました。ハンドルーターに丸刃ノコギリです。カッターやニッパーや、ごく目の細いノコギリでもできるかもしれません。
プライヤーで、端の1枚を掴んで木端を枕に(テコの支点)して、ひっこ抜きます。あまり力は要りませんでした。もちろん、バリコンのボディーは羽に気をつけて手で押さえます。
プライヤーで掴んで真っ直ぐ上に引っぱるだけでも抜けました。物によるでしょうが、軸のカシメはあまりキツクないようです。
12枚中6枚抜きました。
ちなみに、私がよく使うハンドルーターです。ホームセンターで買いました。
当ブログ『DSPラジオ』2019 7/6 にポリバリコンの羽を抜いた(外した)ということを書きましたが、エアバリコンの方が大きくて作業が楽です。ポリバリコンは、羽を減らして使っていると、すぐ壊れました。薄いポリフィルムが、内部でひっかかったりしたのでしょう。
さて今回の回路図です。
羽を抜いて、「親子バリコン」となりました。
AMもSWも単独使用で、並列などにはしていません。AM用に高周波域専用チューニングコイルをつけています。
それにしても、なんじゃこりゃあ的回路図です。同調回路だけなのに、このややこしさ。
6Pスイッチ2つ使い、SW AM の切替え、AMの全周波数帯か、高域帯のみ、の切替えです。
さらにー点新しいことが盛り込まれています。図の、まん中辺、「S1b」(スイッチ1のb) です。
これは、SW受信時、AMの放送がわずかに混信してくるのを防ぐ新発明です。SW時は、AMのアンテナコイル バリコンをアースに落してしまいます。ただ、この径路にはICへのバイアス電圧がかかっているので、コンデンサーを挟んでのアースとなります。
これけっこう効きます。この混信しやすい、三端子ICだけのことだと思われますが。
一方、AMのとき、SW用のアンテナ線が、AMの強力放送(文化放送)の混信を招いてしまいます。で、アンテナを切り離したりもしましたが、スイッチの静電容量もあって、防ぎきれません。アースに落とすという手法が確実でした。
AMのコイルですが、初期は、同調コイルとピックアップコイルを完全独立させていましたが、アースを共通にしても害はないと、実験でわかったので、共通にしました。これでスイッチが1つ省かれ、それを、前述のアンテナアースにまわせたのでした。
そして、さらにAM全域コイルのピックアップを、コイル途中にタップをとる方式にしました。この方が、選択度は少し落ちるものの、その分、感度が上がったからです。選択度とのバランスがちょうど良いのでした。
AMの高域コイルはピックアップコイルなしの感度優先、バリコン直結型です。この方が感度が良く、バリコンが360pFなので、同調回路としてのQが、今までのよりは高く、ピックアップコイル式にしなくて済んだからです。
バリコンのホコリよけカバーに、これを使いました。台所で使う、容器で、100均です。ふたとスプーンは不要で、透明容器のみ使いました。二連バリコンの大きさを覆うに、ディスプレイ用のケースには、ちょうど良い大きさのがなく、台板上でのサイズ制約もあり、あまり大きな物はNGで、結局この容器になりました。
とっ手はエンビパイプ用のノコギリで切り落しました。アクリルではない、これらの樹脂は、目のこまかいノコギリで切れます。ハンダゴテで穴もあきます。
十数年前、私は塩ビ管でスピーカーボックスを作ることに、夢中になっていまして、ノコギリはそのときから持ってます。目がこまかいので、細い角材切りなど、多用途に使えす。
これも同じような樹脂です。100均の台所用品の棚板のー部。今回、ボリュームとトグルスイッチのパネルにしました。リーマーで楽々穴を広げられます。これをアルミのL字板などで作ると大変です。シールドが不要ならば、私は樹脂を多用すると思います。向こうが見えて、バラックに向いてます。
ペットボトルのキャップと台板の間には、タッピングネジに、4mm用の、大きいナットを挟んであり、回転がスムーズになるようにしています。キャップと板の間に隙間があるのが、写真で分かります。
手前に、ネジ頭の白いツマミが見えますが、SWのアンテナターミナルです。この柱も樹脂です。
チューニングつまみの右横からバリコンの足もとを写した写真です。
バリコンは樹脂板に本体を固定して、その樹脂板と台板の間には、黒いゴムを挟んであります。
ゴムを入れたのは、バリコン、二連を直列にしないので、絶縁は気にしなくて良いのですが、バーニアダイヤルとの連結に遊びが必要だからです。連結が厳密にー直線にできれば、あそびは不要です。また、バリコンとバーニアダイヤルのジョイントにも、ゆがみを吸収する機能はあります。上の写真の上部に、茶色の半円形がありますが、これがべークライト製のジョイントのー部です。
念のため、ゴム足を付け、ガッチリ固定してしまうのをさけています。
これがそのゴムです。硬さがちょうど良かったのです。カッターで切って使いました。
ちなみに、バリコンがでかくなって、台板の橫幅が足りなくなり、同じ木材を貼って6mmほど幅を増しました。これも写真に写ってます。
スピーカーボツックスの背面です。せっかくのアルニコスピーカーなので、背板も昔のラジオのように穴あきにしました。この板も、100均です。この穴にS字の金具を挿して、物をぶら下げるパンチングボードです。背面を適度に塞ぐと、完全開放より、少し低音が増します。
飽きずにご覧いただいて、ありがとうございました。