Nano VNA-F V2 使えます

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 すんげえ時代になったもんだ   ! これNanoVNA-F V2 という商品名の測定機。VNAというのは「ベクトル ネットワーク アナライザ一」のこと。「ナノ」なので「えれ一小せえ」「なんかの測定機」

 いろんな測定に使えるらしい。私はアンテナのSWR測定のために2021年12月に買いました。エアバンドやFM放送のアンテナはアマチュア無線機では測れないし、そんならやってみようじゃないのと。

 アマゾンで、1万8千円ちょっと。こういう測定器、昔は数百万したらしい。つい10年前でもハンディータイプのアンテナ測定機で、SWRのグラフ表示できる物で、十万前後してたと記憶してます。

 当記事は単なる紹介です。VNAの操作、使い方については、YouTubeや、他のネット記事をご覧下さい。

 

 で、結論。これ使えます。私は1200MHzのアンテナを測定するためにこれを選んだのです。大丈夫でした。他の機種(1.5GHzまでの)では、ある人のHPでは「1200MHzは厳しい」と評価していたので、値段は高いですが、3GHz まで測定できると謳っているこれにしました。

 入手当初はドタバタしましたが、とりあえず1200MHzもOKと確認できました。それからひと月たって、やっと少し慣れたので、紹介します。

 


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 入手したときはファームウェアのバージョンは 0.3.0 でしたが、2022年1月、自分でアップして、0.3.2  にしました。SYSJOINT という中国のメーカーです。元来これらのVNAは、ある日本の方が、開発したのですが、オープンソースなので、いろんな機種が出回わってるそうです。


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ケースに入ってます。

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 必要な付属道具が揃っていて便利。左下部のプラグは測定前にキャリブレーションをとるための3個。右下部は、メスメス、オスオスのジョイント、L 型のプラグ。上にあるのは、オスオスのSMAの付いた、硬めの青いケーブル2本。タッチペン。

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 充電用のUSBコード。頭C型でシッポはA型のコードが付いてます。しかし、充電器は付いてこないので、スマホなどの5Vのヤツで。

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 三角四角マークの押しボタンで、画面中のマーカーを動かせたり(ペンでもできる)、ファームウェアアップの時にもこのボタン使います。ボディーは金属製で、シールドも大丈夫そう。

 USB のAタイプの方は、内部バッテリーの電気を外部に流用するときのもので、充電やPC との連携には関係ないので注意。

 

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 スクリーンは確かに4.3インチ。現在の機種では1番大きいか。軽度?老眼の私がメガネなくても読めます。

 

 さて先日、2.4GHzも測ってみっペえ、と思いつきました。

 SMA角座に仮りにアルミワイヤーを圧着して、にわかダイポールで、測る。ワイヤーは2.5cm。プラグの金属こみで、長さはこんなもんだろと。50オームにするために、エレメントをややV字に。部屋の中で実験。

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 結論。イケました。2.5GHzあたりで共振していることがわかる、妥当なグラフが出ました。

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 黄色の線がSWRで、緑がスミスチャートです。2GHzから3GHzまでのスパンで測定してます。本体をPCでモニターして、スクリーンショットで撮ったものです。

 これなら測定にアバ レもなさそうで、2GHz台もイケるんじやないでしょうか。グラフ左右の縦軸の目盛りがSWR値です。

 今、黄色のマーク2番を、グラフの谷に置きました。この値が左上に数字で出てます。2520MHzでSWR 1.10 51.9オームで 虚数部が 一4.35 j 。


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 上はPCで観るための「NanoVNA Saver」 の画面で、いろんな表示グラフが選べたり、VNA本体の画面をスクリーンショットに撮ったりできます。今、これの右下のグラフはインピーダンス

 後述しますが、私には導入は、ちょっと大変でした。

 

 さて、肝腎の1200MHzです。これなら測定能力に問題なしと思われました。

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最近自作の3エレ八木です。今は水平で測定。

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中心を1295MHzにし、1GHzのスパンで。今、上部の数字はマーカー3番のデータです。マーカー2番のSWR は 1.10。

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上はスパンを60MHzにして谷部の拡大再測定。

 

 さて、PCの件ですが。私はこれが結構大変でした。NanoVNA-F V2 本体だけで十分使えるのですが、せっかくなので、PCで観測したいと、導入。後で判明したのですが、ファームウェアVr.アップにはPCが必要でした。

 で、メーカーのHPには 

「NanoVNA Saver」というソフトがありますが、Windows10にしか使えないのでした。Windows7、8 や11には STM32とかいう別のシステムソフトを並用すればインストールできるみたいなことが書いてありました。(英文で)

 

 面倒で、DOSをいじる自信もないので、Windows10のノートPCを中古で買いました。すでに11の時代にです。私は7で十分だと思ってる人間ですが、やっと10に手を出しました。

 PCとつなぐには、本体のCタイプから出して、PC のUSB3.0に入れなきゃならない。C タイプを知らない私は変換プラグを選ぶのにも苦労。

 アマゾンで、よくわからない情報をたよりに買いました。

これです。

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一方はUSB3.0

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もう一方はType C

 

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100均で、300円くらいの一番いい、両方Type C のケーブルも買いました。変換プラグをかまして、PCに繋ぎます。

 

 メーカーHP からVNA セーバー 最新のバージョン 0.3.8 をダウンロードして、ノートPCにインストールしました。ところが、VNA本体をつないでもソフトが読み取りを開始しません。あーあ。

どこにもこれの解説ねえし、あっても英語か中文だし。

 しばらくお手上げでした。ところが、ある日、思いついて、メーカーHPに載っていた同ソフトの、バージョンがひとつ古い方 0.2.2 をダウンロードしてインストールしたら、なんと動きました。VNA本体を読み取ってグラフなど表示できました。チャン、チャン?

 

 その次は本体のファームウェアVr.アップに取りくみました。どうやってやるの? あちこちネットを調べましたが、この機種はまだ新しいので、記事が少なく、ファームウェアのことはありません。

 古い機種だと、本体開けたり、なんかすんごく面倒のようです。参考になりません。

 仕方ないので、この機種の取説の英文 (HP にPDFがある) をよく読んで、単語を調べてやっと手順が予想できました。

 「U-disk」という単語はよくわからずながら、 おっかなびっくり実行しました。なんと1発OK。トラブルなしにすぐUPできました。

 で、もしやと、PCで使うVNA Saver を、もう一度最新のバージョンに変えてみました。なんのこともなくすんなり動きました。チャン、チャン。

 

 最後に老婆心ながら、これの使い方の注意。

 

 本体スクリーンの左上にある 

「S11」「S21」はこのVNAが扱うパーラメーターの種類のことで、SWR測定には進行波と反射波だけ扱うので、2つの表示は両方とも「S11」にしておくべきのようです。

 スクリーンをペンでタッチして、マカーを移動させる時など、知らずにこの表示をつついてしまい、「S11」が「S21」になってしまい、気づかずにSWR測定をすると、SWRグラフが測定スパンの右半分くらいから、ストンと最下部の横軸にベターと張り付いてしまい、アセリます。パニックになります。なんでだ?!となります。

 

 測定の前に周波数の測定範囲を指定し、キャリブレーションを取る。周波数変更したら、面倒でも、必ずキャリブレーションも取り直す。そうしないと、一見、SWRカーブに見える インチキなアヤシイ グラフが出てきます。

 

 PC の VNA Saver は便利ですが、まだ未完成のようで、バグもあるようです。私のはスクリーンショットの2枚めを撮ろうとクリックすると、1枚めを保存しておいても、ソフトがシャットダウンしてしまいます。

 キャリブレーションの順番ですが、本体は「Open」が一番上にありますが、PC の方は「Short」が一番上に表示されているので、付属のプラグを間違えないようにです。

 今のところ、私には、なんかハッキリしませんが、本体でできる各設定は、本体の方でする方が正解のようです。

 

それにしても

 いや~、すんげえ時代になったもんです。昔、私なんか、通過型の普通のSWRメーターひとつだけで自作アンテナを調べていました。周波数一点一点のSWRを測り、エクセルで、折れ線グラフを作ったもんです。何時間もかかりました。付属のパワーメーターで、インピーダンスの目安をつけていたもんです。

 それが、ほとんど数分の作業でSWR もスミスチャートもピッ!とっ出ちゃうんだから!

 

 ファームウェアアップのし方は後日、メモをUP予定です。