ツェップライクアンテナ 430MHz


f:id:aug417:20220421115325j:image

 これは433MHzのFM帯、1/2波長、ツェップふうアンテナです。ハンディートランシーバーにつけたり、同軸を付けて釣竿の頭にくくって半固定で使いました。20年近く前、2003年ころの作です。

 前回の記事、145MHzのツェップライクアンテナを作る前の物で、初めてのツェップライクは430から始めたのでした。回路図などは前回のをご覧ください。


f:id:aug417:20220421120729j:image

 35cmのロッドアンテナを縮めると胸のポケットに入るくらい。カッチョイイ~。

で、飛びは? トランシーバー付属のメーカー製アンテナより、良いとはっきりわかるくらい。

 付属のアンテナより、受信Sが、1つか2つ上がりました。てことは、送信も同様に効率上がります。ただし、ゲインで言うと、1/2波長ダイポールと同じで 0 dBd ですが、しかしそこは 腐ってもフルサイズ です。


f:id:aug417:20220421125317j:image

 中身です。ロッドアンテナの根元が大きいので、ギューギュー詰めで、コイルがコイルと呼べないような形になってます。回路もケースも、前回のと同じです。コンデンサーはトリマーでなく、同軸 1.5D-2V を使ってます。耐圧のためです。下の方で横になってる灰色のがそれ。長さはリード部を除くと、記憶では13mmくらいだったと思います。長めに作った同軸を切りつめて調整しますが、切り口には十分注意です。アミ線がちょっとでも芯線に触れたらアウトです。コンデンサーとしては、1~2pFでしょう。

 実は今回、アンテナ現物がなく、残っていた写真だけで書いています。ですからコイルの寸法は不明です。

 

 当時、ツェップライクアンテナの記事は少なく、短波帯の物ばかりでした。私はアンテナ作りを主に430でやっていました。サイズ的に作り易いからです。で、430でやるにはコイルのデータもなかったので、手探りで始めて、成功した時はとても嬉しかったのを覚えています。


f:id:aug417:20220421132800j:image

 これが初めての実験機です。若者ぶって、エヴァンゲリオンでいう初号機? です。見た目そんな感じでしょ?

 給電口がL字型のBNC角座が土台です。センターピンにネジ穴つきのスペーサーをハンダ付けして、コイルのタップ位置を探るため、レバーを回転できるようにしました。コイルは1周もない平面コイルです。コイル全長を調整できるように、小さな穴あきネジ留め端子をアース側に。コイル先頭は、角座から黒いスペーサーで浮かした所でアルミ線アンテナエンメントの圧着端子に付いています。アルミ線は 30~35cm長。線径3mm。

 タップはコイル全長を 1:3~1:4 に分割するところ辺りです。これは周波数や、全体のインダクタンス、浮遊容量によって少しは変わるようです。

 コンデンサーは、トリマーと言うか、小型のバリコンです。左側に付いてます。

 この見たこともない仕組みで調整をくり返し、SWRがストンと落ちた時には快感でした。アンテナ作りの醍醐味です。

 

 トランシーバーのアンテナジャックはSMAなので、BNCオス-SMAオスの変換プラグを使いました。

    釣り竿に付ける場合は同軸の首のところをちょっとゴムなどで竿にくくれば、軽いのでOKです。

 

 この後に、144、21MHz のツェップライクを作ったのでした。5Wでアルゼンチンと交信した、伝説の21ツェップライクは、現物も写真も出てきやがらねえので、まだ紹介できませんので、あしからず。

 

 さて、今では、ロッドアンテナを探すのが難しくなりました。35cmなんていう短いのはなおさらです。昔はロッドアンテナなんか秋葉原にジャラジャラ売っていて、立ち食い蕎麦屋の割箸のように、店頭に立ててありました。いい時代でした。