エアバンド または、アマチュア無線145MHz に使えるアンテナです。設置が簡単で釣り竿につけて立てればOK、ということで、以前当ブログ記事 (SDR 周波数スキャナー エアバンド 2022 1/10) にちょっと名前だけ出したので、その紹介です。
上の写真はこのアンテナの心臓部で、これに125cm(エアバンド) か 96cm(145MHz) のビニール線をつけてエレメントにします。
グラスファイバーの釣り竿につけて、べランダなどに立てます。
この絵では、赤いのがビニール線、黒が同軸、緑色の小さいのが、本体です。
釣り竿はカーボンではだめです。電導性だからです。竿の繋ぎ目の、塗料のないところを見て、茶色であればグラスファイバーだという説があります。
作るのはちょっと手間がかかり、SWR計が必要です。エアバンド用でしたら、受信しながら、心臓部のトリマーコンデンサーを回わしてベストを得れば、S W Rは気にしなくてもいいかも知れません。
回路図です。エアバンドの場合、コンデンサーは10 P Fくらいで、実際には、20PFのトリマーコンデンサーで調整でしょう。145MHzでは、5~10Pの間でした。
私のこれは元々145MHzのFM交信用に作り、最近エアバンド(110~130MHz)に周波数を下げた物です。コイルの形状とタップ位置は145MHz時のままです。
更に詳しく言うと実際には、5Pの固定コンデンサーと、5Pのトリマーコンデンサーを並列にして、作っています。145MHzのときはトリマーは、1/2であり、エアバンド(120MHz)のときは全入りでした。
コンデンサーもトリマーも、耐圧は高くないので5W以上は出したことはありません。
中身です。ケースは釣具屋に売っていた、小物入れです。
元は上の写真と同じ物で、小箱がつながっていた物を切り取りました。
中身拡大です。BNCコネクタの角座、タマゴラグを使って接点にしています。
NanoVNA-F V2 で、SWR を測りました。120MHzあたりで 1.02 と優秀です。もっとも受信だけなら、それほど拘ることもありませんが。
この「ツェップライク」という名前は正式なものではないかも知れません。昔、飛行船の「ツェッペリン」号に使われていたアンテナの、給電部を集中定数的に変更した物のようです。
1/2波長のエレメントの端に給電するので、エンドフェッド(端っこ給電)の類です。端っこはインピーダンスが高いので、このような仕掛けが必要となります。インピーダンス変換と同調を合わせるための良くできた回路です。
送信もする無線用には、コイル全体、タップ位置、エレメント長、トリマー、全部微調整が必要です。
中点から給電する1/2波長ダイポールと、ゲインは同じですが、設置が楽です。とくに垂直設置には もってこい です。
私はこれの21MHzの物を作り、10mの釣り竿に、7mのビニール線を這わせて立て、5 Wのトランシーバー、S S Bで、地球の反対側、アルゼンチンと交信しました。これが私のハムライフ唯一の自慢です。
他には、430MHz用も作って重宝してました。