1KHz「ピー」という音の信号を発振する装置です。
前々回までの AMトランスミッター を作っていたとき、何度も音が出るかどうかをテストしましたが、そのたび、ポータブルCDプレーヤーをつなぎ、CD を入れ電源を入れ、再生ボタンを押し、という手数をくりかえしていました。そのとき、簡単なSGがあればなあ、と思っていました。
1KHzのサイン波を発生させるのはけっこう大変です。ツインT型発振回路とかなんとか、ちょっと複雑なんだよなあ、と思い出しました。
で、そのとき思いついていたのです。この発振モジュールで1KHzを作ろうと。私はメーカー製の、ちゃんとしたSGも持ってます。TRIOの古いSGです。しかし、それは、大きいし、100Vの電源が必要なので、つい面倒になるのです。
今では ファンクションジェネレーター など市販でありますが、それも大げさで、ただ「ピー」という音が出ればいいんだよなぁと思うのです。低周波増幅が動作しているか確認したいだけなので。
中身です。単3 4本のスイッチ付き電池BOX を使ってます。
回路図です。秋月電子の発振モジュール LTC1799 を使ってます。AMトランスミッター で発見した、パルス信号をサイン波に変えるフィルター がキモです。あのときは1MHzの発振で、今回の回路とは違いますが、原理は同じと思われます。今回はPCのシミュレーションも使って、コイルとコンデンサーの大体の値を掴みました。
L1 L2 は100mHから300mH です。出力波形がサイン波にそっくりであることにこだわらなければ、両方とも100mH のインダクター でOKです。
ところが私は、「ピー」という音が出ればいいと言いながら、オシ口なんか持ってるもんだから、サイン波形にこだわってしまいました。
で、サイン波にそっくりな波形にするには
L1 300mH L2 200mH でした。
しかし、両方とも100mHで問題ありません。「ピー」が出ます。さらに言うなら、フィルター無しでもOKで、パルス波の音は「ピー」と「ビー」の間くらいです。
出力プラグはRCAピンと、小型ターミナル(赤、黒)を並列にしてあります。
モジュールの出力 8ピンでの波形です。
L1とL2のつなぎ目での波形です。
当機の出力波形です。
インダクターは抵抗 5K~15K ohm でも代えられますが、出力電圧が下ります。しかし、抵抗は場所をとらないので、電池3本にして、4.5V駆動で、出力電圧を上げられると予想してます。
■後記■
上記の新アイディア、近々実行して、UPするつもりです。サイン波の形にこだわらなければ、抵抗だけで作る方が簡単です。
左がインダクターという品名、右がチョークコイルという品名で、千石電商にありました。これはどちらも100mHです。
実はこれらを直列にしたら300mHになりました。たまたま巻き方向やコアの接近加減からでしょうが、理由は不明です。コイルは抵抗とは違うので、普通、直列にも並列にもしませんが。
モジュールの 997K ohm は1M ohm 1/4w を数本買って、バラツキから997K を選んでます。1ピンと3ピンに直接ハンダ付けほした。モジュール内にはあらかじめ、3.3K ohm が付いているから997Kです。この計算などについては当ブログ
「AMトランスミッター 周波数可変 予備実験」 編で書いてます。
又、6ピンと7ピンはショートします。分周率の選択からです。
発振モジュールは、丸8ピン ソケットに挿してます。ソケットを使うと、電池ケースに入れるには、高さがギリギリとなります。念のため、基板裏に出た足をニッパーで少し切りました。
出力周波数は たまたまですが、ちょうど1KHzになりました。
「ピー」という1KHz は結構高い音なので、私は800とか900Hzが好みです。しかし、1 KHzは測定の基準になっているので、1 KHzで作ることにしました。
モジュールに付ける抵抗を1.2M にすると、出力は854Hzになりました。このモジュールの最低発振周波数は1KHzということになってますが、それより少し低くても発振するようです。
上はTRIOのSG の1KHz サイン波です。
下が当機の出力波形です。ほとんど同じと言って良いかと思われます。
当機の波形の、振幅(上下)の引き伸ばしが、上のTRIO波形より、わずかに短いです。この振幅をTRIOとピタリ同じに表示すれば、波形もさらに同形になったはずです。
300mH 200mH で最大出力電圧は 負荷10Kの抵抗で約 1Vでした。負荷1Kで 0.36Vくらいでした。
8 ohm のスピーカーを直接つないでも、音は小さいですが、「ピー」と鳴ります。発振の確認できます。
100mHのインダクターと100mHのチョークコイル直列(なぜか計300mH) と 200mHで 1.2Vと 0,66Vでした。コイルのDCRの違いによるのかも知れません。
電池ケースです。しきりの壁を取り除く作業がちょっと大変でした。小さな丸刃を付けたルーターを使ってやりました。
これを考えると、コイルを抵抗に代えて、電池3本駆動の方が作り易そうです。
パルスをサイン波にする自分で発見したフィルター回路 をあとから見ていて気がつきました。これ整流平滑回路の チョークインプット型 と同じじゃん、と。あっちは脈流を直流にするんだけど。