CB小僧 続編


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 CB小僧はママチャリでやって来る。近所の公園だ。 

 片手で持つ受話器のようなハンディー機から、据え置きで使うポータブル機に替えた。

 SONYの ICB-770 という機種だ。これも40年以上昔に出た物。


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 実は彼は、数年前、無線雑誌の公告で、サイエンテックというメーカーの SR-01 というCB無線機を見た。カッコイイなと思った。ところが値段が十数万した。ナヌ? CBのワンバンドで0.5ワットで、この値段? アマチュア無線機だったら、同じくらいの値段でオールバンドで100ワット機が買えるだろ。と思った。まだCB無線の魅力を知らなかったので、カッコイイから欲しいとは思ったが、買わなかった。

 そうして、今年になって、CBをやってみようと思った時は、すでに遅し。SR-01 は販売終了していた。

 で、ハンディー機の ICB-87R の中古から入手したのであった。しかし、据え置き型の夢捨てさり難く、ハンディー機より値段の高い ICB-770 も入手したのである。ネットの有名なフリーマーケットで、交信OKというふれこみを入手したのであるが、ポンコツだった。直した。

 スタイルは SR-01 とよく似ている。むしろこっちの方が元祖であろう。

 


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 始めのうちは、公園のベンチにリグ(無線機)を置いてやってみたが、よろしくない。自分の横向きの姿勢が疲れるし、電波的にもよろしくなかった。

 
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 次に、ママチャリの荷台に載せ、後輪をひざの間にしてベンチに座るというスタイルを発明した。これだとリグが顔の高さにきて操作もしやすい。

    ここのべンチや奥の木の切り株に座って、北海道、島根県QSOできた。島根県とは初めてつながったので特に嬉しかった。QTHは出雲市という。自分が若い頃、出雲大社に行ったことを思い出した。

 

 この、自転車の荷台に置くのは電気的にも理にかなっている。普通、CBでDXをやる人は車で広い所や高い所へ行って、車の屋根にリグを置いて電波を出す。

 鉄板の屋根や車体がアースとなって、垂直エレメントがマルコー二アンテナを形成していると推察する。自転車でも、それに似た作用が少しはあろうか。

 荷台のしっかりしたキンピカの新しい自転車を買おうかなあ、なぞと、ちらと夢心地。ちなみにCB小僧は車を持っていない。

 また、ちなみに、コールサインは自分で考えて自分に付ける。昔はCBとはいえ、申請が必要で、コールサインも付与されたが、今はその制度がない。よって自分で付ける。地名、アルファペット、数字の順で組む。CB小僧はネットで調べた。

 

 また、別の日のこと。

 始めは、草野球のグランドに近いベンチに座った。空も開けていて電波的に良い。Eスポが出るまで野球小憎たちの運動を眺めているのも良い。しかし、球が飛んで来るやも知れず、不安がある。そこでCB小僧は場所を変え、大樹の木陰に移動した。

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 アンテナの上は完全に枝葉が覆っている。ダメかなと思っていたが、これでもQSO出来た。

 この木の下で、彼がCQを出すと、筑波山移動の局が応答してくれた。51,52で交信成立した。彼は喜んだ。Eスポは出ていなかった時で、たぶんグランドウェーブでの交信だ。

 相手が高地とはいえ、短波で、0.5ワットで、効率の悪い短縮アンテナで、よくまあ50Km飛んだもんだと。

 

 彼は午前中のニ三時間公園にいて、引き上げる。それ以上は暑さに耐えられない。1局でも交信できれば、それで満足なのである。

 公園を出て、すぐそばの昔ながらの蕎麦屋に入る。ミニカレーセットを食う。若いときから、盛り蕎麦とカレーライスを食うのが彼のスタイルだった。