テスターを自分で修理しました。sanwa(三和)のテスター PC510 で、20年以上前に18000円くらいで買った、私のメインテスターです。最近、これの電流測定が不能になってしまいました。表示値がフラフラして、安定しないのです。ヒューズは切れていないのですが。
メーカーに電話したところ、古いので、修理できないとのこと。技術の方が言うには、ロータリースイッチの接触不良ではあるまいか? とのことでした。なるほどと思いました。
接点洗浄剤を噴射してカチャカチャ回わせば直るかなと思いましたが、スプレーのノズルを入れるスキマがありません。仕方なく、意を決して分解することにしました。
ボディー底のカバーをあけました。まだロータリースイッチは見えません。
基板を外して裏返しにしたところです。ロータリースイッチ機構が出ました。
これで接点洗浄剤を使いましたが、写真左側、ロータリースイッチ裏の金属片が気になって、曲がり具合いをいじり始めました。
で、やっちゃいました。下から2番めの接触片が折れて2つに割れてしまいました。
もうだめだと思いましたが、ふと、薄い銅板で、似たような物を作って嵌めたらどうか?
ありあわせの、0.1mm厚の調板を切って嵌めました。うまくいきました。テスター復活 ! 測定できました。ところが、ロータリースイッチを何度か回わしているうちに、すぐに測定不能になりました。
再びあけてみると、自作の銅板接触片は無惨に潰れていました。
これは本当にもうだめだと思いました。で、新たにメインとなるしっかりしたテスターを買おうと、探しましたが、どうもこれだというのがありません。
その時、またひらめいて、銅板ではなく、りん青銅にしたらいけるかも。銅より硬く、バネちからがあるはずだ。
秋葉原 ラジオデパートの2階のシャーシや金属部材の店で買ってきました。
これは本物の片です。これと同じ物を作ろうというわけです。小さすぎるので、できるかどうか。
こんな道具を使いましたが、丸刃の薄いノコギリはだめでした。結局、1mmのドリルで要所に穴あけして、あとは文具のカッターで切り出しました。
これがそれです。早く試したいと、気がせいて、雑な物になってしまいました。
比べっこ。手前なので大きく見えますが、実物もやはり少し大きい。
しかし、なんとかこれを嵌めてうまく行きました!
LEDを点灯して、電流測定です。
アナログテスターの値も同じ14mAでした。
20Kオームの抵抗。テスター本体にゴムのボディーカバーを嵌めました。
この抵抗に11. 7vかけると0.58mAで、ほぼ計算どおり。
これは室温測定。青いリードの先に小さなセンサーがあります。室温23度。温度測定は意外と必要で、電源トランスの熱や、レコードプレーヤーの、モーターの発熱を調べるときなど、役立ちます。
その他、ACv DCv、問題なく測定できました。
この自作の接触片がいつまでもつか? しばらく大丈夫だろと思ってます。壊れたら、次こそは心落ちつかせて、丁寧に切り出そうと思っています。それが壊れたら、その時こそあきらめて、新しいテスターを、生涯で最後の、ついのテスター を買おうと思います。
我なから、しぶとい。