超再生FM 完成

f:id:aug417:20200312121957j:plain
ついに 超再生FMラジオ が完成しました。
今回はバラックではなく、ちゃんとしてしまった物の晴れ舞台です。
私は数年に1度くらい、まともな物を作ります。
この写真を見て下さい。カッケーでしょ?
ゴツゴツしくてハードビューティーでしょ?
世界一めんどくせえラジオは「こんなの世界に1つしかねえ」ラジオにもなりました。

で、音はどーなのよ。って、YouTubeに動画UPしました。URLをこの記事の最後に載せるので行ってみて下さい。
超再生検波でも、けっこういけますよ。

今回の思いつきは、コイルを見えるようにデザインするということが始まりです。私はコイルフェチなのでコイルを内部に閉じ込めてしまうのが嫌なんですね。

コイルを表に出すデザインを描くのは難しくないのですが、実現するとなると、電気的にはバカヤローです。
それにコイルをカバーする物をどうするか。例えばアクリル曲げて作る?なんかガラスの瓶探す?ある? と、二の足を踏んでいました。

しかし、コイルをカバーする透明なドームを見つけたので、ついに作り始めました。
100均にありました。うってつけ、もってこい、おあつらえむきの、ちょうどピッタリなのが。何かを飾るための透明なドームです。黒い台座が付いてました。
そんなこんなで、製作、苦節1か月以上です。
f:id:aug417:20200312124213j:plain
コイルドームのアップです。
チューニングダイヤルの目盛りです。PCを使って普通紙に印刷しました。そのままではパッとしないのでラッカースプレーで4度塗りしています。
目盛りは実際の受信周波数と合ってますが、調整次第で変動するので絶対ではありません。
放送局の名前をアルファベット2文字で書いてます。略し方に統一性はありません。私が見て直感で分かりやすいように決めました。
86MHz辺りにTKとありますが、東京FM の第2送信所の電波です。送信塔は東京西部の山にあるらしい。

f:id:aug417:20200312124918j:plain
内部はこんなんです。
天井のコイルの脚とバリコンの距離を可能な限り (デザインを優先しつつ) 短くするために苦労してます。写真ではわかりませんが、ポリバリコンは、前面パネルから浮かせてあって、コイルの脚の下に位置してます。
そのために、2.6mm径のネジのついたスペーサーや、ベークライトのスペーサー使ってます。
f:id:aug417:20200312130137j:plain
いつもは図面なんか書かず、バラック作りですが、今回はネジの穴位置まで計算して、事前に詳しく見通しておきました。アドリブでは無理ですから。
自分がわかれば良いという図面です。

さて、次が刮目(かつもく)すべき内容ですぞ。
パネルは生基板です。ところが、これがクセモノでした。
高周波を扱う時は、部品の脚を最短でアースに落とすのが、憲法です。そのための銅板です。
私は当然のこととして、基板にアースしました。そうすることで、動作が安定するはずでした。
ところが、組み上がって、スイッチONすると、
ラジオは鳴りましたがしかし、ツマミなど、ボディーエフェクトが結構あるぞ。ツマミを調整して手を離すと狂ってるのです。
おかしいなあ~ ボディーエフェクトを避けるためにバリコンの軸に気を使い、銅板パネルを衝立にしてるのになあ。これならバラックの方が良かったじゃん。
で、1日悩んで閃きました。もしかしてアース? バラックは母線アースだったぞ。
試しにやってみっか、とて、あたらうるはしくアースしたるをすべてはがし、ひとすじの銅線につなぎ直したりけり。
そしてその銅線は基板とは絶縁され、浮いています。
すると、あら不思議、ボディーエフェクトはほとんど消えました。
VRの軸や銅パネルが人体との間に電気的に容量を持ってしまっていたので、エフェクトが発生していたのですね。
超再生の、この場合、筐体アースはしてはいけなかったのです。

f:id:aug417:20200312133116j:plain
今回の回路図です。
ミソはFM 用二連バリコンを直列にし、さらに15PFを直列したところです。こんなの見たことないですが、ここまで容量を減らさないと、コイルにかかわるラインが長いので、同調が取れないのです。
これでもバリコン180度内に東京近郊で入る局が全部入ってます。
15 PFを10PFにすると、さすがに容量の変化量が少な過ぎ、ワイドFM辺りの高いところでは、混信しやすくなりました。

バラックのとき、ドレイン側(電源側)のVRは50K並列でした。今回VR は20Kで、それでいけたのですが、ギリギリだったので、下に固定R10kをつけました。
VRの回わし残りのRが、電源側への回り込みを阻止しているというオマケがあるかも知れません。

低周波側の10KVR の手前の、C はバラックの時より、小さくして、0.0033uFにしました。高音を減らさないためです。
音声ICの周りは最小限のパーツです。IC はスポンジ的な厚い両面テープで基板に留めています。
IC の熱は出ないし、スピーカーと一体作りにありがちな、機械的振動を拾わないように、こうしました。
あと、アンテナ線とアース(アンテナの片方)は、今回は2PFを通します。ボディーエフェクトのためです。 

f:id:aug417:20200312135944j:plain
筐体底にある電池ホルダーです。
ちゃんとしたものを作ってホルダーもボディーの中に入れてしまうと、電池交換が面倒で、結局、そのラジオは使わなくなります。で、外に付けました。
これでも電池は おこっちたりしません。

バスレフ音響効果のための、ダクトが下向きに付けてあります。エンビパイプ VP-20です。内径20mm、長さ15mmです。(内部写真の方に写っているのはダクト長を調整前のもので、30mm長)
筐体の容積は2リットルあって、この15mm長ダクトで、私のヒミツの計算式では、126Hz辺りで共振してるはずです。 
スピーカーが小さく、怪しいSONY物で (ジャンク150円で購入)、あまり期待できるものではありませんが、ダクトはまあ、いくらか低音増強になっております。

f:id:aug417:20200312141200j:plain
アンテナは真鍮パイプです。銅線より固い方が、形を保って美しいです。80cm長を工作。接続リード線10cm分を引いた寸法です。
まん中は径20mmくらいのコイル状です。センターローディングエレメントのダイポールアンテナの形になります。水平でもV型でも、電波状況や、机上の広さに応じて自在。

f:id:aug417:20200312141909j:plain
一応、垂直アンテナです。ハ二ワの腕のようですね。
コイルの後ろはドームを守るために、背板を伸ばしたのです。ラジオを移動する時の つかみどころ でもあります。

スピーカー前の布は100均で。何かの芯にするための物らしいです。(冒頭の写真の方が分かりやすい)
サランネットの代りになる生地を探すとなかなか無いものです。本物のサランネットなんて、数千円もしますからね。

あと、パネルと天井板、背板の色にも悩みました。コイルのホルマル線(太さ2mm)の色が赤茶なので、
ニス系じゃ、コイルが目立たない。
市販のペンキの色は数少いものなんですねえ。
黒、赤、クリーム、青、グレーくらいです。で、結局グレーにしました。

f:id:aug417:20200312142055j:plain
アンテナを畳んだ形です。アンテナ自体は25cmくらい。
「キヲツケ」をしたラジオロボットのようです。
このあと、ロボットは「レイ」をするでしょうか。
それではみなさんさよ-なら。


下のURLをタップするとYouTubeに飛びます。

松任谷由実「守ってあげたい」

  https://youtu.be/C5zK14COtHw


チェロ協奏曲 詳細不明

  https://youtu.be/4aUekUHKa9o