前々回、SDRラジオの 自作 AM SWチューナーを紹介しましたが、ゲルマラジオ並のアンテナとアースが必要でした。
今回、バーアンテナコイルのみで、なんとかかんとか、受信できましたので、紹介します。と言っても中波(MW)だけでして、しかも、中強電界の割と良い環境でのことです。短波(SW)はベランダのビニ一ル線アンテナとアースが必要です。AMについてもアースを付ければ尚よろしいという具合です。
前々回、前回の記事に、このチューナーに関する説明がありますので、そちらもご覧下さい。
東京近郊で、バーアンテナコイルのみで、TBSラジオを中心に受信したPC画面です。HDSDR の画面です。スペクトラムの波は、TBSを中心になだらかな裾野になってます。
Sメーターは個人的感覚にてですが一応の校正はしてあります。
チューニングのQはけっこう低くしています。下の写真がこのときのパネルです。黒い小さなツマミがQ のVRで、9時方向です。
次は SDRシャープ での受信画面で、同じ内容です。
Sメーターは後からプラグインで入れたもので、校正もしてないので、振れ過ぎになってます。S は本当は5くらいです。
両者ともスペクトラムの表示などの伸縮や色は調整次第で、自由にできます。
フェライトバーアンテナには指向性があるので、ニッポン放送はチューナーごと90度振ると聞けるくらに入ります。
前々回の1号機は 2SK241 1石のチューナーでしたが、この2号機は 2SC1815 を加えて2石になってます。
ここに至るまで、苦節1カ月の、紆余曲折のウヨウヨの実験の日々でした。
初め、単純に、2SK241をプラスして、2段増幅でした。次は、2SC1815をプラスしての2段増幅でした。両者とも大して、効果はありませんでした。次は広帯域のアンプIC、BGA2851を使ってみましたが、これもNG。増幅率が非常に高いのですが、期待はずれでした。ことによると、飽和というのが関係していたのかも知れませんが。
で、今回のは、2SK241 をソースフォロアーにして、利得なしの、インピーダンス合わせにし、増幅は 2SC1815 の1石のみと、初志の簡単回路でとしました。
切替えスイッチがいくつもありますが、チューナー部をパスして、本来のドングルとして使うことも考えたからです。この時、QP QN への接続は完全に切って、配線の影響が出ないようにしています。自作チューナー部の電源もOFFにしました。ここまでしなくてもOKなのですが、ノイズの用心のためです。
ドングルは R820T2 で、青いヤツです。基板上の QP QN がわかり易すく、ハンダ付けも楽です。
AM(MW)コイルのフェライトは18cm長で、60回巻き。SWは紙筒で13回卷き。共に1号機より、減らしています。
SWの同調範囲は 5MHz~13MHz くらい。
同調のQ を低くするためのVR、20K の端をアースせず、浮かしています。もし、中点が浮いた時、Q が高くなって、はっきり故障とわかるからです。
2SK241 のソースの半固定R は150オーム以上あれば、200でも400オームでも良いようです。150以下だと受信が止まりました。
2SC1815 の出力はドングルから切離して、外部へつなぐことも可能です。6 pスイッチの片方にゲルマニウムやクリスタルイヤホンを付ければ聞こえると思います。
2SC1815 は増幅率優先で、歪は大きいと思われます。しかし、復調した音声が歪むということはないようです。
ヒューズ事件!
電源のヒューズはドングルをスルーしてます。変ですが、仕方なかったのです。
今回の事件! PC のUSB径路を守るために2号機はヒューズを普通に入れました。ところが、いざONしてみると、PC のSDRソフトは立ち上がっても「サウンドカードが見つからない」と英文の警告が出て、動かないのです。
あらー、やっちゃった! と思いました。ドングルを壊したか? ところが、ドングルを配線から外して単体で PC の USBに挿してONすると、OKなのです。ん? USBの信号線が断線したかと、いろいろ調べてもわかりません。
電圧を調べると、4.4V。5 Vじゃねえの? なんで? ヒューズでした。0.2Aのヒューズは抵抗が、6オームもありました。細いのだから仕方ない。ドングルを測ると、90mA流れてる。熱からみて結構流れてるだろうとは思ってましたが。こりゃ0.6Vくらいは落ちるわ。
でも、4.4VでNGなの? 試しにヒュースを1 Aにしてみました。約1オームです。実測4.8V。OKとなりました。ドングルは0.6V下がるとダメなようです。
1AヒューズではUSB径路を守れません。PC のUSB径路にも保護回路は入っているだろうと思いますが、もし、PC を壊したら-大事ですからヒューズは付けるべきと思いしました。
しかし、上記の事件勃発。そこで、電流は食うが、信頼性のあるドングルはハンダ付けと動作確認したらヒューズは通さずパスすることにしました。
自作のチューナー部はしょっちゅう、手を入れていじりまわしているので、電源ショートなど事故しやすいので、ヒューズのない1号機ではヒャッとしたことが何度もあるのです。
回路図は0.1Aとなってますが、実際は0.2Aヒューズです。チューナー部は、2SK241 が1mA 2SC1815 が 1.8mA なので、電圧降下も気にしません。0.1AヒューズがあればそれもOKでしょう。
電源に4mHのチョークを使ってノイズフィルターを入れてみましたが、なくても問題ありませんでした。
上から見た写真です。バラックですが、今回は上手く行くかどうか分からないのに、ちょっと気合い入れて作りました。
バラックで、いろいろやっていると、やはり高周波だよなと思い改めることもありました。
「わては高周波じゃき、なめたら、なめたらいかんぜよ」 と鬼龍院花子のセリフが、たびたび聞こえて来ました。
で、パネルは生基板、アースは母線を使わず銅箔に最短直近で付け、パネルのデザインは気にせず、各パーツは高周波配線の理にかなうように配置しました。ので、パネルは右半分が、みよ~に間延びしてます。
フェライトバーは、秋葉原、ラジオデパートのシオヤ電気で昔買った物です。これを宙に固定するために今回は 3 mmのアルミワイヤーを柱にしました。2mmの方が細工が楽だったなと思います。無理にねじったりすると、割れやすいフェライトを欠いてしまいます。
このアルミワイヤーがちょっと便利で、基板の方にハンダゴテを差し込む時は、ぐにゅ~っとアルミを曲げて空間をあけて、また戻すことができます。アルミなら、フェライト への影響は少ないだろうと想像してます。
ドングルは厚いスポンジの両面テープで、基板裏の何も無いポイントでくっ付けています。SW用のコイルの紙筒も両面テープで。
ヒューズの柱と、USBケーブルの首押えは、生基板にネジ穴のあるL金具をハンダ付けしてます。
生基板の表はペンキを塗りました。10x20cmの390円。表はNの字のヘンな模様があって、これがなければ、そのままで、ベージュ色の イーカンジのパネルになったのに、と思います。
さて、SDRラジオのことばかり続きますが、SDRでエアバンドを受信することなど、もう少し載せたいと思います。次回もご覧下さい。